日本の伝統文化 卵油の話 頭痛、めまい、心臓、血圧、ボケ防止、試してわかる卵油の話


本草綱目

本草綱目での卵油の記述


「本草綱目」は、中国の薬学著書で、代々医師の家庭に生まれた明の李時珍(1518-1593)が諸本草書を集成・増補し、1596年に上梓されました。慶長年間には早くも日本に到来し、1607年に長崎に輸入されたものは幕府に献上され、本草学の基本書として大きな影響力を持ち続けました。中国では何度も版を重ね、和刻本も長期にわたって数多く出版されています。
中国では古来、医薬の学を「本草」と言って、薬のもととなる多数の動植物(人も含む)、鉱物からの医薬品を集大成した「本草綱目」は、現代につながる伝統薬の原典であると考えられています。 ※旧字は赤で説明しています


本草綱目(約400年前)の記載

卵黄(氣味)【甘し、温にして毒なし】主治【醋で煮て用ゐれば産後の虚痢、小児の發熱を治す。煎じて食へば煩熱を除く。練って用ゐれば嘔逆(おうぎゃく)を治す。常山末を和して丸にし、竹葉湯で服すれば久瘧を治す】(藥性)【炒って油を取り、粉に和して頭瘡に傅ける】(日華)【卒(には)かの乾嘔には、生で數箇を呑むが良し。小便不通にもやはり生で呑む。數囘試みれば效がある。陰血を補し、熱毒を解し、下痢を治し、甚だ效驗がある】(時珍)

(發明)時珍曰く、鶏子黄は氣、味倶に厚い。陰中の陰である。故に能く形體を補するのだ。昔の人がこれを阿膠(あけう)と同功だと考へたのは正にその関係を見たのであった。その嘔逆、諸瘡を治するは、熱を除き、蟲を引く効果だけを取るのである。
頌曰く、鶏子は最も多く藥に入れて用ゐるが、髪煎(はつせん)の方が特に奇效のあるものだ。

劉禹錫の傳信方に『亂髪鶏子膏は孩子(がいし)の熱瘡を治す。鶏子五箇を煮熟して白を去って黄を取り、亂髪を鶏子の大いさほどを相和し、鐵銚(てつてう)に入れて炭火で熬る。初め甚だ乾くが、少頃して髪が焦(こ)げると液が出る。それをやがて椀中に取り、その液の盡きるまでを度として取って瘡に塗り、苦參末を粉(まぶ)す。近頃武陵にゐて産まれた子が、まだ産蓐(さんじょく)中に在って熱瘡があり、諸種の藥を塗ったが奏效せず、日にますます劇(はげ)しくなって半身に蔓延し、晝夜號啼(がうてい)して乳も飲ますことも睡ることも出来なかったが、その折、本草の髪○{「髪」の「友」の替わりに「皮」の字}(はつひ)の條を見ると「鶏子黄に合せて煎じ、消(と)かして水にしたものは小児の驚熱、下痢を療ず」とあり、註に「俗中の嫗母(おうぼ)は小児のために鶏子煎を作り、髪を雑へて熬って良久して出る汁を小児に與へて服ませると痰熱を去り、病あるを治す」とあり、又、鶏子の條に「火瘡を療ず」とあったので、それに因ってこの方を用ゐて見ると果して神の如き效を奏した』とある。

(附方)舊三、新十一。【赤白下痢】鶏卵一箇の黄を取って白を去り、胡粉(こふん)をその殻に滿てて燒いて性を存し、一錢匕を酒で服す。(葛氏方)【妊娠下痢】絞痛(かうつう)するには、烏鶏子一箇に孔を開けて白を去り黄を留め、黄丹一錢を入れ厚紙で裹(つつ)んで泥で固め、○{左に「火」右に「畏」の字}(や)き乾して末にし、三錢づつを米飯で服す。一服で癒えるときは胎児が男である。二服で癒えるときは女である。(三因方)【胎児死亡】鶏子黄一箇を薑汁一合に和して服すれば下るものだ。【小腸疝氣】鶏子黄を温水に攪(か)きまぜて服す。三服で效がある。【小児の癇疾】鶏子黄を乳汁に和して攪(ま)ぜて服す。二三箇に過ぎずして自ら定まる。(普濟)【小児の頭瘡】煮熟した鶏子の黄を炒(い)って油を取し、麻油、膩粉(じふん)を○{「拾」の「合」の替わりに「茶」の字}る。(事林廣記)【鼠瘻の巳に潰(つぶ)れたもの】鶏卵一箇を米に入れて半日蒸し、黄を取って熬って黒くし、先づ瘡を拭ひ乾してからその藥を孔中に納れる。三囘にして癒える。(千金方)【脚上の臭瘡】熟鶏子黄一箇、黄○{「鑞」の字の「金」の替わりに「虫」の字}一錢を煎じてその油を塗る。【湯火傷瘡】熟鶏子(五一)一箇の黄を取って炒り、その油を取って膩粉十文を入れて攪(か)き○{「勹」の字の中に「二」の字}(ま)ぜ、三五日間それを瘡上に(五二)掃く。永く瘢痕を除く。(集驗方)【杖瘡(ぢやうそう)の巳に潰れたるもの】鶏子黄を熬ってその油を○{「拾」の「合」の替わりに「茶」の字}る。甚だ效がある。(唐瑤經驗方)【天泡水瘡】方は上に同じ。【瘢痕を消滅する法】鶏子五七箇を煮熟し、黄を取って黒く炒り、一日三囘づつ拭(ぬぐ)ひ塗れば久しくして自ら滅する。(聖惠方)【妊娠胎滿(たいまん)】(8)血が下って止まず、血が盡きれば胎児の死ぬものである。鶏子黄十四箇を好き酒二升で飴のやうに煮て服す。なほ○{「病」の「丙」の替わりに「差」の字}えぬときは再び試み、○{「病」の「丙」の替わりに「差」の字}えるを度とする。(普濟方)【汁の出る耳疳】鶏子黄を炒り、その油を塗る。甚だ妙である。(談埜翁方)

(五一)大觀ニ十ニ作ル。
(五二)大觀ニ掃上ノ二字ヲ用鶏○{左に「令」右に「羽」の字}掃瘡上ノ六字ニ作ル。
(8)胎満は張本に「胎漏」に改めている。(考定書)

【引用】李時珍著、鈴木真海訳「国訳本草綱目」(1977年)」春陽堂書店



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